今回の一言
労働時間が6時間を超えると45分以上、8時間を超えると1時間以上の休憩が必要です。
導入
昨日、「1日8時間・週40時間」という労働時間の基本を聞いた澪が、今度は勤務表を見ていた。
澪
「凪先生。8時間働くなら、休憩は必ず1時間ですよね?」
凪
「実は、法律上は少し違います」
澪
「えっ?」
凪
「ポイントは、6時間を超えるか、8時間を超えるかです」
仁
「『8時間以上』ではない。『8時間を超える』だ。そこは区別した方がいい」
基本のキ
① 休憩は何分必要なの?
凪
労働基準法では、1日の労働時間によって必要な休憩時間が決まっています。
労働時間が6時間以下
法律上、休憩を与える義務はありません。
6時間を超えて、8時間以下
45分以上
8時間を超える
1時間以上
です。
澪
「6時間ちょうどなら、休憩なしでも法律上はいいんですか?」
凪
「はい。法律上の最低基準ではそうなります。ただし、会社が別に休憩を設けることはもちろんできます」
② 8時間勤務なら45分でもいいの?
澪
「じゃあ、ちょうど8時間働くなら?」
凪
「法律上必要なのは45分以上です」
なぜなら、
8時間を超えた場合に1時間以上
だからです。
例えば、実際の労働時間がちょうど8時間なら、法律上の最低休憩時間は45分です。
澪
「8時間なら必ず1時間だと思っていました」
凪
「実際には1時間休憩の会社も多いですが、それは法律上の最低基準より長く設定しているということです」
③ 8時間を少しでも超えたら?
澪
「じゃあ、8時間1分働いたら?」
凪
「8時間を超えていますから、必要な休憩は1時間以上になります」
つまり、
実働8時間
→ 45分以上
実働8時間を超える
→ 1時間以上
という違いがあります。
仁
「境目の数字だけを覚えるなら、『超える』という言葉まで覚えることだ」
④ 休憩は仕事が終わってからでもいい?
澪
「休憩を取らずに早く仕事を終えて、そのあと1時間休むのは?」
凪
「それでは法律上の休憩になりません」
休憩は、労働時間の途中に与える必要があります。
例えば、
8時間働く
↓
仕事終了
↓
そのあと1時間休む
では、勤務中の休憩にはなりません。
澪
「疲れてから最後にまとめて休む、では駄目なんですね」
⑤ 休憩中に電話番をしてもいい?
澪
「お昼休みだけど、『電話が鳴ったら出てね』と言われることがあります」
凪
「その時間は、法律上の休憩として扱えない可能性があります」
休憩時間は、労働者が自由に利用できる時間でなければなりません。
厚生労働省も、休憩中に電話や来客対応をするよう指示されている場合、その時間は休憩ではなく労働時間とみなされると説明しています。
澪
「席に座ってご飯を食べていても、仕事を任されていたら休憩とは限らないんですね」
仁
「何もしていないように見えるかではない。仕事から離れる自由があるかどうかだ」
⑥ 「何もしていない待ち時間」は休憩?
澪
「仕事はしていないけど、いつ呼ばれてもすぐ対応しないといけない時間は?」
凪
「それも、単純に休憩とは言えません」
厚生労働省は、休憩について、単に作業をしていない時間ではなく、労働から離れることが保障されている時間だとしています。
つまり、
仕事はないけれど、その場で待機する必要がある
のであれば、労働時間として扱われる場合があります。
⑦ 休憩時間にも給料は出るの?
澪
「休憩の1時間にも、お給料は出るんですか?」
凪
「一般には、休憩時間は労働時間ではないため、会社に賃金を支払う法律上の義務はありません」
例えば、
9時から18時まで会社にいる
としても、
途中に1時間の休憩があれば、
拘束時間9時間
実働時間8時間
となります。
ただし、会社独自の制度で休憩時間にも賃金を支払うことはできます。
澪
「会社にいる時間と、給料が発生する労働時間は別なんですね」
よくある勘違い
「8時間勤務なら法律で1時間休憩」
凪
正確には違います。
6時間を超え8時間以下
→ 45分以上
8時間を超える
→ 1時間以上
です。
「6時間働けば45分休憩」
これも違います。
6時間を超えた場合に45分以上が必要です。
6時間ちょうどなら、法律上の休憩付与義務はありません。
「昼休みに電話番をしても休憩」
これも違います。
電話や来客に対応するよう指示されているなら、自由に休憩しているとはいえず、労働時間として扱われます。
「仕事の最後にまとめて休憩すればいい」
凪
休憩は労働時間の途中に与える必要があります。
今日のまとめ
📌 6時間以下なら、法律上の休憩義務はない
📌 6時間を超え8時間以下なら、45分以上
📌 8時間を超えるなら、1時間以上
📌 休憩は勤務時間の途中に取る
📌 休憩中は、仕事から離れて自由に利用できなければならない
📌 電話番や来客対応を命じられている時間は、休憩とは扱われない
📌 会社にいる時間と、実際の労働時間は同じとは限らない
今日の一言
玲
「休憩とは、仕事をしていない時間ではありません。仕事から離れられる時間です」
この回のポイント
休憩は何分?
6時間以下
→ 法律上の休憩義務なし
6時間超~8時間以下
→ 45分以上
8時間超
→ 1時間以上
例えば
実働6時間
→ 休憩義務なし
実働7時間
→ 45分以上
実働8時間
→ 45分以上
実働8時間30分
→ 1時間以上
休憩の大事な条件
勤務時間の途中に取る
そして、
自由に利用できる
こと。
電話番は?
休憩中でも電話や来客対応をするよう指示されているなら、労働時間として扱われます。
よくある勘違い
-
6時間勤務なら45分必要 → 違う
-
8時間勤務なら必ず1時間必要 → 法律上は違う
-
電話番をしながらでも休憩 → 違う
-
仕事が終わったあとに休憩を取ればいい → 違う
