今回の一言
通勤手当は、普段の自宅と勤務先を往復するためのお金。出張旅費は、仕事のために通常の勤務地を離れて移動するときの費用です。
導入
昨日、通勤手当について聞いた澪が、今度は会社の出張申請画面を見ていた。
澪
「凪先生。東京から大阪へ出張するときの新幹線代も、『交通費』ですよね?」
凪
「広い意味では交通費ですね。ただ、会社では出張旅費として扱われることがあります」
澪
「昨日の通勤手当とは違うんですか?」
凪
「違います。ポイントは、いつもの通勤なのか、仕事のために別の場所へ移動するのかです」
仁
「移動する理由を見れば分かる」
基本のキ
① 出張って何?
凪
出張とは一般に、
仕事のために、通常の勤務地を離れて別の場所へ行くこと
です。
例えば東京の会社で働いている人が、
-
大阪の取引先へ行く
-
地方の工場を視察する
-
別の支店で会議をする
-
展示会や研修へ参加する
といった場合です。
澪
「会社へ行くためではなく、仕事そのもののために移動するんですね」
凪
「そう考えると分かりやすいでしょう」
② 出張旅費って何が入るの?
凪
会社の旅費規程などによりますが、出張旅費には例えば、
-
電車代
-
新幹線代
-
飛行機代
-
バス代
-
タクシー代
-
宿泊費
-
出張の日当
などが含まれることがあります。
澪
「ホテル代も『旅費』に入るんですね」
凪
「会社によって『旅費』『交通費』『宿泊費』『日当』などを分けて管理することもあります」
③ 通勤手当とは何が違うの?
澪
「一番簡単に分けると?」
凪
こうです。
通勤手当
自宅 → 普段の勤務先
へ通うための費用。
出張旅費
仕事のために、通常とは違う場所へ移動する費用。
例えば、
自宅 → 会社
なら通勤。
会社 → 大阪の取引先
なら出張。
という違いです。
澪
「どちらも電車に乗りますけど、目的が違うんですね」
仁
「同じ新幹線代でも、通勤なのか業務上の移動なのかで扱いは変わる」
④ 出張の新幹線代は自分で払うの?
澪
「出張するとき、いったん自分で新幹線代を払うことがありますよね」
凪
「会社によって支払い方法が違います」
例えば、
会社が直接手配
会社が新幹線やホテルを予約して支払う。
立替払い
本人がいったん払い、
領収書などを提出して後から精算する。
仮払い
出張前に会社から一定額を受け取り、帰ってから精算する。
などの方法があります。
澪
「最終的な負担は会社でも、支払い方はいろいろあるんですね」
凪
「そうです。旅費規程や経費精算のルールを確認します」
⑤ 「日当」って何?
澪
「出張すると『日当』が出る会社もありますよね。ホテル代とは違うんですか?」
凪
「違います」
出張の日当は一般に、
出張に伴って発生する細かな負担などを考慮して、会社が一定額を支給するもの
です。
例えば、
出張1日につき3,000円
などと会社の旅費規程で決める場合があります。
ただし、
全国一律で日当はいくら
と法律で決まっているわけではありません。
澪
「日当がない会社もあるんですね」
凪
「あります。支給するか、いくら支給するかは会社の規程によります」
⑥ 出張旅費には税金がかかるの?
澪
「会社からお金をもらうなら、給料と同じように所得税がかかりますか?」
凪
「通常必要と認められる出張旅費なら、原則として給与として課税されません」
国税庁は、転勤や出張などのための旅費について、その旅行に通常必要と認められるものは給与所得として課税しない扱いとしています。
例えば、
-
通常必要な交通費
-
宿泊費
-
通常必要と認められる日当
などです。
澪
「仕事のために使ったお金だから、普通の給料とは違うんですね」
凪
「そうです」
⑦ じゃあ、出張名目ならいくらでも非課税?
澪
「だったら『出張日当10万円』みたいにすれば、全部非課税にできますか?」
凪
「そういうことではありません」
非課税になるのは、
その出張に通常必要と認められる範囲
です。
会社の役職、出張内容、距離、宿泊の有無などから見て、不自然に高額なものまで自動的に非課税になるわけではありません。
仁
「名前を『旅費』に変えれば給与でなくなる、という話ではない」
⑧ 通勤手当も出張旅費も非課税なの?
澪
「昨日の通勤手当も非課税でしたよね。結局同じでは?」
凪
「非課税になる仕組みが違います」
通勤手当
一定の条件と非課税限度額があります。
電車・バスなどの場合は、合理的な通勤経路による運賃などについて、現在は月15万円までが基本的な非課税限度額です。
出張旅費
その出張に通常必要と認められる範囲
が非課税になります。
澪
「どちらも非課税になることはあるけれど、同じルールではないんですね」
凪
「その通りです」
よくある勘違い
「通勤手当と出張旅費は同じ」
凪
違います。
通勤手当
→ 普段の通勤
出張旅費
→ 仕事のための臨時的な移動
と考えると分かりやすくなります。
「出張旅費は交通費だけ」
これも違います。
会社によっては、
-
宿泊費
-
日当
なども出張旅費として扱います。
「日当は法律で必ず支給される」
これも違います。
出張日当を設けるか、いくら支給するかは、会社の旅費規程などによります。
「出張旅費なら全部非課税」
凪
違います。
非課税になるのは、その出張に通常必要と認められる範囲です。
今日のまとめ
📌 通勤手当は、自宅と通常の勤務先を往復するための費用
📌 出張旅費は、仕事のため通常の勤務地を離れて移動する際の費用
📌 出張旅費には交通費・宿泊費・日当などが含まれることがある
📌 出張費の支払い方法には、会社手配・立替精算・仮払いなどがある
📌 出張日当の金額は全国一律ではない
📌 通常必要と認められる出張旅費は、原則として給与として課税されない
📌 通勤手当と出張旅費では、非課税になる考え方も異なる
今日の一言
玲
「同じ移動でも、毎日通うための道と、仕事のために向かう道では、お金の意味も変わります」
この回のポイント
出張旅費とは?
仕事のために通常の勤務地を離れて移動するときに必要となる費用。
何が含まれる?
会社によりますが、
交通費
宿泊費
日当
などがあります。
通勤手当との違い
通勤手当
→ 自宅と普段の勤務先
出張旅費
→ 業務のため別の場所へ移動
誰が払う?
会社によって、
-
会社が直接予約・支払い
-
本人が立て替えて後日精算
-
事前に仮払い
などがあります。
日当とは?
出張に伴う負担などを考慮して、会社が規程に基づき支給する一定額。
金額は全国一律ではありません。
所得税は?
その出張について通常必要と認められる旅費・宿泊費・日当は、原則として給与として課税されません。
通勤手当との税金の違い
通勤手当
→ 一定の非課税限度額がある
出張旅費
→ その出張に通常必要な範囲かを見る
という違いがあります。
よくある勘違い
-
通勤手当=出張旅費 → 違う
-
出張旅費=電車代だけ → 違う
-
出張日当は必ずもらえる → 会社による
-
出張旅費なら何円でも非課税 → 違う
