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0)BLACK VELOCITY: Civil Threshold

Civil Threshold
0)BLACK VELOCITY: Civil Threshold

都市が人を守るのか。
それとも、人を守るために都市があるのか。

『BLACK VELOCITY: Civil Threshold』は、
その見えない境界を描く物語です。

アークシティは、
事故を限りなく減らすために設計された実験都市です。

海沿いに築かれた巨大な街では、
交通、エネルギー、物流、通信といった都市の根幹が、
統合されたシステムによって静かに管理されています。

空には、公共空中バス〈エアロシャトル〉が、
定められた航路を進み、港湾区と中心部を結ぶ。

街の光は途切れず、
流れは乱れず、
都市は美しく整えられている。

その姿は、
ひとつの理想の完成形にも見えます。

そして都市の中心には、
象徴となる建造物〈アークドーム〉があります。

行政、演算、インフラ制御が重なり合うその場所は、
アークシティの“顔”であり、
秩序そのものを可視化したような存在です。

けれど、
どれほど完成された都市にも、
数値では測りきれない揺らぎが残ります。

予定どおりに進まない判断。
記録に収まりきらない痛み。
整えられた仕組みの外へ、こぼれそうになる誰か。

この物語が描くのは、
そうした都市の中で交差する、三人の正しさです。

黒崎玲。
都市を俯瞰し、責任を背負う者。

人を記録の外へ落とさないために、
制度の内側から都市を見る監査官です。

紫藤澪。
現場で揺らぎを拾い、逸れても戻ってくる者。

手順や効率だけでは救えないものを前に、
現場の側から都市に触れるエンジニアです。

火守仁。
過去の事故を起点に、危険を削る者。

曖昧さを破局の種と見なし、
次を繰り返さないために線を引こうとする存在です。

三人が向き合うのは、
単純な善悪ではありません。

それぞれに守りたいものがあり、
それぞれの正しさがある。

だからこそ、
この物語では対立が深くなる。

都市は守る。
だが、何を守るのか。

人を守るのか。
都市そのものを守るのか。

その境界線は、目には見えません。
けれど、確かに存在している。

この物語では、
その見えない境界を Civil Threshold と呼びます。

『BLACK VELOCITY: Civil Threshold』は、
完全へ向かう都市の美しさと、
そこからこぼれ落ちそうになる人の揺らぎを見つめる物語です。

制御と自由のあいだで、
それでもなお人を消さないために、
誰が何を背負うのか。

その問いを、
静かに、しかし鋭く描いていきます。

アークシティ