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BLACK VELOCITY: Civil Threshold 最終話 揺らぎを背負う
街の隔離が解かれる。 澪の指が、最後のキーを押した。 止められていた流れが、ゆっくりと戻り始める。 閉じられていた道がひらき、人の移動が再開する。 街は再び、人の気配を取り戻していった。 同時に、都市演算の揺れが走る。 制御の再編を示す警告が、管理ホールの各所に点った。 仁が低く言う。 「お前は都市を危険にした」 玲はスクリーンの向こうに広がる街を見つめたま…
Civil Threshold
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BLACK VELOCITY: Civil Threshold 第7話 制限の街で、誰を守るのか
港湾区からネオン地区にかけて、人の流れが少しずつ外へ押し出されていく。 事故を防ぐための制限は、やがて暮らしそのものの形を変えはじめる。 そのとき問われるのは、都市を守ることと、人を消さないことが本当に両立できるのか、という一点だった。 澪が言う。 「これ、隔離に近い」 仁は答える。 「危険を削っている」 玲はスクリーンに映る街を見ていた。 そこには無数の生…
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BLACK VELOCITY: Civil Threshold 第6話 都市は誰を守るのか
異常は、静かに始まった。 都市の表示は安定を示している。 だが、実際の運用ラインは、目に見えないほどわずかに歪んでいた。 澪が言う。 「調整が早すぎる」 玲は画面を見つめたまま、低く返す。 「都市が、先に決めている」 その直後、警告音が走った。 交通。電力。通信。 あらゆる流れが、示し合わせたように変わっていく。 仁が言った。 「都市は守る」 玲は静かに問う…
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BLACK VELOCITY: Civil Threshold 第5話 一つの都市に、三つの正しさ
仁は、第七区画のことを詳しく語らない。 語れば、切り離したはずの時間が、自分の中でまた動き出すからだ。 それでも、彼の結論だけは変わらない。 「削る」 玲は受け止めるように言う。 「背負う」 澪は二人のあいだで、その言葉を聞いていた。 制度でも理念でもなく、壊れた現場に触れてきた者の位置から。 「ねえ。都市を守るって、何を守ること?」 仁は答える。 「存続だ…
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BLACK VELOCITY: Civil Threshold 第4話 境界は誰が決めるのか
都市は、すべてを安全にはできない。 だから境界を置く。 問題は、その境界が誰のためのものなのかだった。 重力炉管理ホールで、仁が権限を通した。 閉じられていた深層ログの一部が、静かに開く。 澪は息を呑んだ。 画面に浮かんでいたのは、単なる運用記録ではない。 都市の判断を支える、ひとつの概念だった。 境界。 都市は、あらゆる危険をゼロにはできない。 だから、ど…
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BLACK VELOCITY: Civil Threshold 第3話 記録が綺麗すぎる夜
港湾区で、澪は違和感を拾った。 交換されたはずの部品が、交換されたように見える痕跡だけを残して、不自然に収まっていた。 作業ログは揃っている。 だが、現物だけが別のことを語っている。 「記録が綺麗すぎる」 澪はつぶやいた。 現場は、こんなふうに綺麗にはならない。 人が触れば、必ず少し汚れる。 少し迷う。 少し手間取る。 そこに現実が残る。 なのに、ここには人…
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BLACK VELOCITY: Civil Threshold 第2話 第七区画は、まだ終わっていない
地下は静かだった。 静かすぎて、ここでは人の痛みまで記録に変わってしまいそうだった。 重力炉管理ホールの前で、二人を待っていた男がいる。 火守仁。 基幹評議会管轄、危険区画対策室の上級執行調整官。 背筋はまっすぐで、動きに無駄がない。 そこに立っているだけで、これ以上は進ませない、と言っているようだった。 「監査官」 低い声が、玲に向けられる。 敬意でもあり…
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BLACK VELOCITY: Civil Threshold 第1話 壊れるときは、静かだ
壊れるときは、静かだ。 アークシティは今夜も整っていた。 整いすぎていて、その奥に残ったごく小さな揺れだけが、かえって沈んで見えた。 黒崎玲は、それを見落とさなかった。 港湾区の灯りが海面に落ち、空中レーンをエアロシャトルが規則正しく流れていく。 都市は静かで、正確で、乱れがない。 アークシティの夜は、いつ見ても美しい。 無駄を削ぎ落とし、迷いさえ吸い込むよ…
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0)BLACK VELOCITY: Civil Threshold
都市が人を守るのか。 それとも、人を守るために都市があるのか。 『BLACK VELOCITY: Civil Threshold』は、 その見えない境界を描く物語です。 アークシティは、 事故を限りなく減らすために設計された実験都市です。 海沿いに築かれた巨大な街では、 交通、エネルギー、物流、通信といった都市の根幹が、 統合されたシステムによって静かに管理…
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