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残業代って、どうやって計算するの?――「残業した時間 × いつもの1時間分」だけではない――2026/08/30 四人で学ぶ、キホンのキ

四人で学ぶ、キホンのキ
残業代って、どうやって計算するの?――「残業した時間 × いつもの1時間分」だけではない――2026/08/30 四人で学ぶ、キホンのキ

今回の一言

法定労働時間を超えて働いた場合は、原則として通常の1時間分の賃金に25%以上を上乗せした割増賃金が必要です。


導入

昨日、36協定について聞いた澪が、給与明細の「時間外手当」を見ていた。

「凪先生。残業代って、残業した時間に時給を掛ければいいんですよね?」

「基本の考え方は近いですが、法律上の時間外労働には割増があります」

「よく聞く『25%増し』ですね」

「はい。ただし、定時を過ぎた時間が全部25%増しになるとは限りません」

「まず、その残業が法律上の『時間外労働』なのかを見る」


基本のキ

① 残業代はどう計算するの?

まず一番簡単な形で考えます。

例えば、通常の1時間分の賃金が1,500円だったとします。

法定時間外労働なら、原則25%以上の割増が必要なので、

1,500円 × 1.25 = 1,875円

となります。

2時間の法定時間外労働なら、

1,875円 × 2時間 = 3,750円

という考え方です。

「残業時間だけ、いつもの1時間分より高くなるんですね」

「そうです」


② 定時を超えたら、全部25%増し?

「じゃあ、定時を1時間過ぎたら25%増しですよね?」

「必ずしもそうではありません」

例えば会社の勤務時間が、

9時~17時
休憩1時間
実働7時間

だったとします。

17時から18時まで働けば、会社の定時は超えています。

でも実働はまだ8時間です。

法律上の1日8時間を超えていないので、この1時間は原則として法定時間外労働ではありません。

「会社では残業でも、法律上の25%増しとは限らないんですね」

「はい。会社の規定で別の扱いをしている場合はありますが、法律上の割増を見るならそこを分けます」


③ 1日8時間を超えたら?

例えば、

実働8時間まで勤務

したあと、さらに2時間働いたとします。

この2時間は原則として法定時間外労働です。

通常の1時間分の賃金が1,500円なら、

1,500円 × 1.25 × 2時間

という考え方になります。

「昨日の『1日8時間・週40時間』がここにつながるんですね」

「その通りです」

法定労働時間を超えて働かせた場合には、原則25%以上の割増賃金が必要です。


④ 夜遅く働いたらどうなるの?

「夜中まで残業したら、同じ25%増しですか?」

「午後10時から午前5時までの労働には、深夜労働として25%以上の割増があります」

さらに、その時間が法定時間外労働でもある場合、

時間外25%以上
+ 深夜25%以上

なので、

合計50%以上の割増

になります。

「残業と深夜が重なると、割増も重なるんですね」


⑤ 休日に働いたら?

法定休日に働いた場合には、原則として35%以上の割増賃金が必要です。

さらに法定休日の勤務が午後10時から午前5時までにかかれば、

休日35%以上
+ 深夜25%以上

で、

60%以上の割増

になります。

「でも、前に『会社が休みの日なら全部35%』ではないって習いましたよね」

「よく覚えています。35%以上になるのは、法律上の法定休日労働の場合です」


⑥ 残業がものすごく多くなったら?

1か月の時間外労働が60時間を超えた部分については、割増率がさらに上がります。

現在は企業規模にかかわらず、

50%以上

の割増賃金が必要です。

「25%のままずっと増えていくわけではないんですね」

「長時間働かせるほど、会社側の負担も重くなる仕組みだ」


⑦ 「1時間分の賃金」は基本給だけ?

「計算するときは、基本給だけを時給に直せばいいんですか?」

「必ずしも基本給だけではありません」

割増賃金の基礎には、原則として通常の労働時間に支払われる賃金を使います。

月給制の場合は、対象となる月給を1か月の平均所定労働時間で割って、1時間当たりの賃金を求めます。

ただし、

  • 家族手当

  • 通勤手当

  • 一定の住宅手当

  • 臨時に支払われる賃金

など、法律上、一定の条件で計算から除外されるものがあります。

「単純に基本給だけ割ればいいとは限らないんですね」

「はい。実際の給与計算では、給与明細や会社の賃金規程を確認する必要があります」


よくある勘違い

「定時を過ぎたら全部25%増し」

違います。

会社の所定労働時間を超えていても、法律上の法定労働時間を超えていない場合があります。


「残業代は普通の時給と同じ」

法定時間外労働では、原則として25%以上の割増が必要です。


「固定残業代があれば、何時間残業しても追加なし」

これも違います。

固定残業代でカバーされる額を超える割増賃金が発生した場合には、差額を支払う必要があります。


「残業代は基本給だけで計算する」

これも一律には言えません。

割増賃金の基礎に含める賃金と、法律上除外できる賃金があります。


今日のまとめ

📌 法定時間外労働は原則25%以上の割増

📌 定時を超えた時間が、すべて25%増しになるとは限らない

📌 午後10時~午前5時の深夜労働は25%以上の割増

📌 法定休日労働は35%以上の割増

📌 法定時間外+深夜なら50%以上

📌 月60時間を超える時間外労働は50%以上の割増

📌 残業代の計算は、基本給だけで決まるとは限らない


今日の一言

「同じ一時間でも、いつ、どれだけ働いた一時間なのかで、その重さは変わります」


この回のポイント

法定時間外労働の残業代

基本の考え方は、

1時間当たりの賃金
× 1.25以上
× 法定時間外労働の時間

です。

割増率の基本

法定時間外労働
25%以上

深夜労働(22時~翌5時)
25%以上

法定休日労働
35%以上

月60時間を超える時間外労働
50%以上

重なると?

時間外+深夜

50%以上

法定休日+深夜

60%以上

注意

会社の定時を超えた残業

法律上の法定時間外労働

は同じとは限りません。

よくある勘違い

  • 定時を過ぎれば全部25%増し → 違う

  • 残業代は普通の時給と同じ → 違う

  • 固定残業代なら追加の残業代は一切ない → 違う

  • 基本給だけで残業代を計算する → 一律には言えない