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36協定って何? ないと残業できないの?――会社が法定時間を超えて働かせるためのルール――2026/08/29 四人で学ぶ、キホンのキ

四人で学ぶ、キホンのキ
36協定って何? ないと残業できないの?――会社が法定時間を超えて働かせるためのルール――2026/08/29 四人で学ぶ、キホンのキ

今回の一言

36協定とは、会社が労働者に法定時間外労働や法定休日労働をさせるために、労働者側と結ぶ協定です。


導入

昨日、休憩時間について聞いた澪が、今度は「36協定」という言葉を見つけた。

「凪先生。『サブロク協定』って、どうして36なんですか?」

「労働基準法の第36条に定められているからです」

「これがないと、残業できないんですよね?」

「基本的にはそうですが、まず『どんな残業なのか』を分けましょう」

「残業と呼ばれる時間が、全部法律上の時間外労働とは限らない」


基本のキ

① 36協定って何?

昨日までに、

1日8時間・週40時間

という法定労働時間を学びました。

会社が原則として、この時間を超えて労働者を働かせたり、法定休日に働かせたりする場合には、あらかじめ労働者側と協定を結び、労働基準監督署へ届け出る必要があります。

これが、

時間外労働・休日労働に関する協定

いわゆる**36協定(サブロク協定)**です。

「会社が『今日は忙しいから残業して』と自由に決められるわけではないんですね」

「法律上の時間を超えて働かせるには、ルールがあります」


② 36協定がなければ、残業は全部できない?

「じゃあ、36協定がなければ、一分でも定時を超えたら駄目ですか?」

「ここが少し違います」

例えば、その会社の勤務時間が、

9時~17時
休憩1時間
実働7時間

だったとします。

17時から18時まで1時間働けば、会社が決めた7時間は超えています。

でも実働はまだ8時間です。

法律上の1日8時間は超えていません。

「会社では残業だけど、法律上の時間外労働ではないんですね」

「はい」

36協定が必要になるのは、原則として、

1日8時間・週40時間という法定労働時間を超える場合

や、

法定休日に働かせる場合

です。


③ 36協定があれば何時間でも残業できる?

「じゃあ、36協定を結んでいれば残業は何時間でもできますか?」

「できません」

通常の36協定で認められる時間外労働には、原則として上限があります。

月45時間

年360時間

です。

「36協定は、残業し放題にする制度じゃないんですね」

「協定があることと、上限がなくなることは別だ」


④ 月45時間を超えることは絶対にないの?

臨時的な特別の事情がある場合には、特別条項付き36協定を結ぶことで、原則の月45時間を超えることがあります。

ただし、それでも上限があります。

一般的なルールでは、

時間外労働は年720時間以内

さらに、時間外労働と休日労働を合わせて、

1か月100時間未満

2~6か月の平均80時間以内

といった制限があります。

また、月45時間を超えられるのは年6か月までです。

「特別条項があっても、無制限ではないんですね」

「はい。あくまで臨時的な特別の事情がある場合の仕組みです」

※医師など一部の業務には特別な上限規制があります。


⑤ 36協定があれば、残業代を払わなくてもいい?

「36協定を結んでいる会社なら、残業代も給与に含まれているんですか?」

「それも違います」

36協定は、

時間外労働や休日労働をさせるためのルール

です。

残業代を払わなくてよくなる制度ではありません。

法定労働時間を超えて働かせた場合には、原則として25%以上の割増賃金が必要です。

法定休日なら35%以上です。

「働かせるための手続きと、働いた時間への賃金は別に考える」


⑥ 誰と協定を結ぶの?

「会社同士で何か契約するんですか?」

「いいえ。会社と、その職場の労働者側との協定です」

労働者の過半数で組織する労働組合がある場合は、その労働組合。

ない場合には、労働者の過半数を代表する人と会社が協定を結びます。

そして労働基準監督署へ届け出ます。

「会社が一人で『36協定を作りました』と決めるものではないんですね」

「そうです。『協定』ですから、労働者側との手続きが必要です」


⑦ じゃあ、36協定があれば必ず残業しないといけない?

「36協定がある会社なら、会社に言われたら必ず残業しないといけないんですか?」

「36協定そのものは、『この人は必ず残業しなければならない』と決める契約ではありません」

36協定は、会社が法律上の時間を超えて働かせるために必要な手続きです。

実際に残業を命じられるかどうかは、労働契約や就業規則など、別のルールにも関係します。

「36協定は会社に無制限の命令権を与えるものではない」


よくある勘違い

「会社でいう残業=全部36協定が必要」

必ずしもそうではありません。

会社の所定労働時間を超えていても、法定労働時間を超えていない場合があります。

例えば、

会社の勤務時間7時間

の人が、

8時間働いた

場合です。

会社では1時間の残業でも、原則として法定時間外労働ではありません。


「36協定があれば残業し放題」

違います。

時間外労働は原則として、

月45時間・年360時間

という上限があります。


「特別条項なら上限なし」

これも違います。

特別条項にも年間・月間などの上限があります。


「36協定を結べば残業代はいらない」

違います。

36協定と残業代は別の問題です。

法定時間外労働には、原則として割増賃金を支払う必要があります。


今日のまとめ

📌 36協定は、法定時間外労働や法定休日労働をさせるための協定

📌 「36」は労働基準法第36条から来ている

📌 会社と労働者側が協定を結び、労働基準監督署へ届け出る

📌 会社でいう残業が、すべて法定時間外労働とは限らない

📌 時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間

📌 特別条項があっても無制限には働かせられない

📌 36協定があっても残業代は必要


今日の一言

「残業できる仕組みがあることと、どこまでも働かせていいことは、同じではありません」


この回のポイント

36協定とは?

会社が、法定労働時間を超えて働かせたり、法定休日に働かせたりするために必要な労使協定。

いつ必要?

原則として、

1日8時間・週40時間を超える

または、

法定休日に働かせる

場合。

普通の残業と違う?

例えば、

所定労働時間7時間

↓ 1時間残業

実働8時間

なら、会社でいう残業ではあっても、原則として法定時間外労働ではありません。

残業の上限は?

原則、

月45時間

年360時間

特別条項があると?

臨時的な特別の事情がある場合でも、一般的には、

年720時間以内

単月100時間未満(休日労働含む)

複数月平均80時間以内(休日労働含む)

などの上限があります。

よくある勘違い

  • 36協定=残業し放題 → 違う

  • 特別条項=上限なし → 違う

  • 36協定があれば残業代不要 → 違う

  • 定時を超えれば全部法定時間外労働 → 違う