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在宅勤務手当って何? 給料とはどう違うの?――毎月もらう「手当」と、仕事で使った「実費」は同じではない――2026/09/10 四人で学ぶ、キホンのキ

四人で学ぶ、キホンのキ
在宅勤務手当って何? 給料とはどう違うの?――毎月もらう「手当」と、仕事で使った「実費」は同じではない――2026/09/10 四人で学ぶ、キホンのキ

今回の一言

在宅勤務手当は、在宅勤務で必要になる費用を補うために会社が支給する手当です。ただし、支給方法によって「給与」として扱われる場合と、「実費の精算」として扱われる場合があります。


導入

昨日、在宅勤務の電気代や通信費について聞いた澪が、給与明細を見ていた。

「凪先生。ここに『在宅勤務手当5,000円』ってあります」

「在宅勤務に伴う費用を補うための手当ですね」

「これって給料なんですか? それとも経費なんですか?」

「実は、どういう形で支給されているかによって違います

「名前では決まらない。何のために、どう支払われているかを見る」


基本のキ

① 在宅勤務手当って何?

在宅勤務では、

  • 電気代

  • インターネット通信費

  • スマートフォンの通信費

  • 文房具

  • その他の在宅勤務に必要な費用

などが増える場合があります。

そこで会社が、

「在宅勤務をする人に毎月○円支給する」

などの制度を設けることがあります。

これが一般に在宅勤務手当テレワーク手当と呼ばれるものです。

「全国どの会社でも同じ金額なんですか?」

「いいえ。金額や支給方法は会社によって違います」

在宅勤務手当そのものについて、全国一律で「○円支給しなければならない」と決められているわけではありません。テレワークの費用負担については、会社と労働者でルールを明確にしておくことが重要とされています。


② 基本給とは違うの?

「じゃあ、基本給とは別ですよね?」

「通常は別の項目として支給されることがあります」

例えば給与明細が、

基本給 250,000円

在宅勤務手当 5,000円

となっていれば、基本給とは別の手当です。

ただし、

基本給ではない=給与ではない

とは限りません。

「手当も給与として扱われることがあるんですね」

「そうです」


③ 毎月5,000円もらう場合は?

例えば会社から、

毎月5,000円を在宅勤務手当として支給

されていて、

実際に電気代や通信費として5,000円使わなくても、

余ったお金を会社へ返さなくていい

とします。

このような「渡切り」の在宅勤務手当は、税務上は原則として給与として課税されます。

国税庁も、毎月5,000円などを渡切りで支給し、使わなかった分を返還する必要がない場合は、給与として課税する必要があるとしています。

「『在宅勤務の費用だから全部非課税』ではないんですね」

「はい。そこは大切です」


④ 実際に使った分だけ返してもらう場合は?

「じゃあ、仕事で使った通信費を会社に申請して返してもらったら?」

「これは考え方が違います」

例えば、

仕事で必要な物を自分で購入して、

領収書を会社へ提出

実際に使った金額だけ会社から返してもらう

という場合です。

これは、従業員が立て替えた仕事上の費用を会社が返している、つまり実費精算です。

在宅勤務に通常必要な費用について、実費相当額を適切に精算する方法なら、税務上は給与として課税する必要はありません。

「お金をもらうのは同じでも、意味が違うんですね」

「労働の対価なのか、立て替えた費用を返しているのか。その違いだ」


⑤ 一番簡単に分けると?

こう考えると分かりやすいでしょう。

毎月定額でもらって、余っても返さない

在宅勤務手当 5,000円

原則として給与として扱われる

仕事で使った金額を計算して精算する

通信費の業務使用分 2,300円

適切な実費精算なら、原則として給与とは扱われない

という違いです。

「『定額の手当』と『経費の精算』を分ければいいんですね」


⑥ 社会保険料にも関係するの?

「給与として扱われるなら、社会保険にも関係しますか?」

「支給方法によって違います」

例えば、

毎月5,000円を渡切りで支給し、使わなくても返さなくてよい

ような在宅勤務手当は、基本的に社会保険料や労働保険料を計算するときの報酬・賃金に含まれるとされています。

一方、

仕事で実際に必要だった費用を精算する実費弁償

なら、基本的にその算定基礎には含まれません。

「同じ5,000円でも、支給方法で扱いが変わるんですね」

「そうです」


⑦ 電気代はどうやって実費にするの?

「でも、電気代って仕事に使った分だけ分けるのが難しくないですか?」

「その通りです」

例えばエアコンなら、

仕事にも使う。

生活にも使う。

完全に分けるのは難しいですよね。

そのため、通信費や電気料金については、業務に使用した部分を合理的に計算する方法があります。

国税庁も、在宅勤務日数などを使って業務使用部分を合理的に計算する方法を示しています。

「『だいたいこれくらい』ではなく、計算方法を決めて精算するんですね」


⑧ 給与明細では何を見ればいい?

在宅勤務手当があるなら、次を確認すると分かりやすいでしょう。

  • 毎月定額なのか

  • 在宅勤務した日数で変わるのか

  • 実費精算なのか

  • 通信費・電気代が含まれているのか

  • 余った分を返す必要があるのか

  • 給与として課税されているのか

  • 社会保険料の計算に含まれているのか

「『在宅勤務手当5,000円』という数字だけでは分からないんですね」

「金額より先に、その5,000円の性質を見る」


よくある勘違い

「在宅勤務手当は全部非課税」

違います。

毎月一定額を渡切りで支給し、使わなくても返還する必要がない在宅勤務手当は、原則として給与として課税されます。


「手当だから給料ではない」

これも違います。

基本給とは別でも、手当が給与の一部として扱われることがあります。


「会社からお金をもらったら全部給与」

これも違います。

仕事上必要だった費用を適切に実費精算したものは、給与として扱われない場合があります。


「在宅勤務手当なら全国一律」

違います。

支給するかどうか、金額、計算方法などは会社によって異なります。


今日のまとめ

📌 在宅勤務手当は、在宅勤務に伴う費用を補うための手当

📌 基本給とは別でも、給与として扱われる場合がある

📌 毎月定額の「渡切り」の手当は、原則として給与として課税される

📌 実際に仕事で使った費用を適切に精算する場合は、給与として扱われないことがある

📌 社会保険料などの扱いも、定額手当か実費弁償かで異なる

📌 大切なのは「在宅勤務手当」という名前ではなく、どう支払われているか


今日の一言

「同じお金でも、働いた対価なのか、使った費用が戻ってきたのかで意味は変わります」


この回のポイント

在宅勤務手当とは?

在宅勤務によって発生する通信費・電気代などを補うために、会社が支給する手当。

給料とは違う?

支給方法によります。

毎月定額で支給

例えば、

毎月5,000円

を使った金額に関係なくもらい、余っても返さない。

→ 原則として給与として課税されます。

実費を精算

仕事で実際に使った費用を計算し、その分だけ会社から受け取る。

→ 適切な実費精算なら、原則として給与として課税する必要はありません。

社会保険は?

定額の渡切り手当

→ 原則、報酬・賃金に含まれる

実費弁償

→ 原則、報酬・賃金に含まれない

という考え方になります。

覚え方

手当
→ 労働の対価としてもらうお金なら給与になる

実費精算
→ 仕事のために立て替えた費用を返してもらう

よくある勘違い

  • 在宅勤務手当=全部非課税 → 違う

  • 手当=給料ではない → 違う

  • 会社から受け取るお金=全部給与 → 違う

  • 在宅勤務手当は全国一律 → 違う