今回の一言
午後10時から午前5時まで働いた時間には、原則として通常の賃金に25%以上を上乗せした深夜割増賃金が必要です。
導入
昨日、残業代について聞いた澪が、勤務表を見ながら首をかしげた。
澪
「凪先生。夜10時を過ぎると『深夜手当が付く』って聞きますよね」
凪
「はい。法律では、午後10時から午前5時までの労働に25%以上の割増賃金が必要です」
澪
「それって、残業した人だけですか?」
凪
「いいえ。そこが今日の一番大切なところです」
仁
「深夜労働と残業は、別の話だ」
基本のキ
① 深夜手当って何?
凪
一般に「深夜手当」と呼ばれますが、法律上は深夜労働に対する割増賃金です。
対象になる時間は、
午後10時から翌朝5時まで。
この時間に働かせた場合、会社は通常の賃金に25%以上を上乗せして支払う必要があります。
例えば、1時間当たりの賃金が1,500円なら、
1,500円 × 1.25 = 1,875円
が深夜時間帯の基本的な考え方です。
澪
「夜10時から急に割増になるんですね」
② 残業していなくても付くの?
澪
「でも、深夜手当って残業代の一種じゃないんですか?」
凪
「別です」
例えば、
勤務時間が18時~翌3時
という夜勤だったとします。
最初から夜に働く予定だったとしても、
22時~翌3時
の部分は深夜労働です。
その時間には原則25%以上の深夜割増が必要です。
澪
「定時の中でも付くんですね」
凪
「はい。残業かどうかではなく、何時に働いたかで決まります」
③ 夜9時に働いたら?
澪
「夜9時もかなり遅いですよね。そこには深夜手当は付かないんですか?」
凪
「法律上の深夜割増の対象は、原則として22時から翌5時です」
つまり、
21時~22時
→ 深夜割増なし
22時~翌5時
→ 25%以上の深夜割増
となります。
澪
「『夜だから』ではなく、時間帯が決まっているんですね」
④ 残業と深夜が重なったら?
凪
ここは昨日の話とつながります。
法定時間外労働には、
25%以上
の割増があります。
さらに、その時間が午後10時から午前5時までなら、
時間外25%以上
+ 深夜25%以上
となります。
つまり、
50%以上の割増
です。
例えば1時間当たり1,500円なら、
1,500円 × 1.50 = 2,250円
となります。
澪
「残業と深夜、それぞれの割増が重なるんですね」
⑤ 休日の深夜に働いたら?
凪
法定休日に働いた場合は、原則として35%以上の休日割増が必要です。
その勤務が深夜にもかかれば、
休日35%以上
+ 深夜25%以上
で、
60%以上の割増
になります。
仁
「『深夜』『時間外』『法定休日』は、それぞれ何に対する割増なのかを分けて考える」
⑥ 残業が月60時間を超えて、さらに深夜だったら?
澪
「昨日、月60時間を超える残業は50%以上って習いましたよね」
凪
「はい。その時間が深夜なら、さらに深夜割増が加わります」
月60時間を超える法定時間外労働では、
時間外50%以上
+ 深夜25%以上
となるため、
75%以上の割増
になります。
澪
「かなり大きくなるんですね」
仁
「それだけ長時間・深夜の労働は、負担が重いということだ」
⑦ 「夜勤手当」と「深夜手当」は同じ?
澪
「求人で『夜勤手当1回5,000円』って書いてあることがあります。これが深夜手当ですか?」
凪
「必ずしも同じではありません」
会社が独自に、
夜勤1回につき○円
などの夜勤手当を設けていることがあります。
一方、法律上必要なのは、22時から翌5時までの深夜割増賃金です。
そのため、求人や給与明細を見るときは、
-
夜勤手当はいくらか
-
深夜割増を含んでいるのか
-
別に深夜割増が支払われるのか
を確認する必要があります。
澪
「『夜勤手当あり』だけでは、内訳まで分からないんですね」
凪
「そうです」
よくある勘違い
「深夜手当は残業した人だけ」
凪
違います。
残業していなくても、22時から翌5時まで働けば原則として深夜割増の対象です。
「夜8時を過ぎれば深夜手当」
これも違います。
法律上の深夜時間帯は、原則として、
午後10時~午前5時
です。
「深夜残業でも25%増しだけ」
これも違います。
法定時間外労働と深夜労働が重なる場合には、
25%+25%=50%以上
の割増になります。
「会社の夜勤手当があれば、法律上の深夜割増は関係ない」
凪
会社独自の夜勤手当と、法律上必要な深夜割増は区別して確認する必要があります。
大切なのは、最終的に法律上必要な割増賃金がきちんと支払われているかです。
今日のまとめ
📌 深夜労働は原則22時~翌5時
📌 深夜時間帯は25%以上の割増
📌 残業していなくても深夜割増は必要
📌 法定時間外+深夜なら50%以上
📌 法定休日+深夜なら60%以上
📌 月60時間超の時間外労働+深夜なら75%以上
📌 会社独自の「夜勤手当」と法律上の「深夜割増」は同じとは限らない
今日の一言
玲
「夜に働く一時間は、昼の一時間と同じようには扱われません」
この回のポイント
深夜労働とは?
原則として、
22時~翌5時
に働くこと。
深夜割増は?
25%以上
例えば、
通常1時間 1,500円
なら、
深夜は基本的に
1,500円 × 1.25 = 1,875円
という考え方になります。
残業じゃなくても?
付きます。
最初から夜勤として働いていても、22時~翌5時の部分は深夜割増の対象です。
割増が重なると?
法定時間外+深夜
→ 50%以上
法定休日+深夜
→ 60%以上
月60時間超の法定時間外+深夜
→ 75%以上
夜勤手当とは?
会社が独自に設定する手当の場合があります。
夜勤手当=法律上の深夜割増
とは限らないため、給与の内訳を確認します。
よくある勘違い
-
深夜手当は残業した人だけ → 違う
-
夜なら何時でも深夜割増 → 違う
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深夜残業も25%増しだけ → 違う
-
夜勤手当と深夜割増は必ず同じ → 違う
