今回の一言
振替休日は、休日に働く前に勤務日と休日を入れ替えること。代休は、休日に働いたあとで別の日を休みにすることです。
導入
昨日、祝日と会社の休日について聞いた澪が、勤務表を見ていた。
澪
「凪先生。日曜日に出勤した人が、『水曜日は振替で休み』って言っていました」
凪
「会社ではよく聞く言葉ですね」
澪
「それって代休とは違うんですか?」
凪
「似ていますが、労働時間のルールでは大きな違いがあります」
澪
「どこが違うんですか?」
凪
「休日に働く前に決めたのか、働いたあとに休ませるのかです」
基本のキ
① 振替休日って何?
凪
会社の休日についていう「休日の振替」は、
あらかじめ休日と勤務日を入れ替えること
です。
例えば、
日曜日=休日
水曜日=勤務日
だったとします。
会社が事前に休日を振り替えて、
日曜日=勤務日
水曜日=休日
と変更します。
澪
「日曜日に休日出勤するというより、日曜日そのものを勤務日に変えるんですね」
凪
「そう考えると分かりやすいです」
② 代休って何?
凪
代休は順番が逆です。
例えば、本来休日だった日曜日に働きました。
そのあとで、
『日曜日に働いたから、水曜日を休みにしよう』
と別の日に休みを与えるのが代休です。
澪
「先に日曜日を勤務日に変えたわけではないんですね」
凪
「はい。日曜日は休日のまま、その休日に働いたことになります」
③ 一番簡単な違いは?
澪
「頭が混ざりそうです」
凪
「では、これだけ覚えてください」
振替休日
働く前に決める
休日の日曜日
↓
事前に水曜日と交換
↓
日曜日は勤務日、水曜日は休日
代休
働いたあとで決める
休日の日曜日に働く
↓
あとから水曜日を休みにする
澪
「先に交換するのが振替、あとで休むのが代休ですね」
凪
「その通りです」
④ お給料にも違いが出るの?
澪
「どちらも別の日に休むなら、給料も同じじゃないんですか?」
凪
「ここが大切な違いです」
適切に休日を事前に振り替えた場合、もともと休日だった日は勤務日になります。
そのため、その日が元の法定休日だったとしても、休日労働をしたという理由だけで35%以上の休日割増が発生するわけではありません。
ただし、その結果として週40時間などの法定労働時間を超えれば、時間外労働の割増賃金が必要になる場合があります。
⑤ 代休ならどうなるの?
凪
一方、代休は休日に働いた事実をあとから消すものではありません。
例えば、法定休日の日曜日に働いたあと、水曜日を代休にしたとします。
水曜日に休めても、日曜日に法定休日労働をしたことは変わりません。
そのため、日曜日の勤務については、原則として35%以上の休日割増賃金が必要です。
澪
「あとで休ませたから、休日出勤がなかったことにはならないんですね」
仁
「休ませることと、働いた時間に対する賃金を払うことは別だ」
⑥ 月曜日になってから「昨日は振替休日扱い」はできる?
澪
「日曜日に急に出勤して、月曜日になってから『水曜日を振替休日にします』と言われたら?」
凪
「それは、最初から休日と勤務日を入れ替えていたわけではありません」
実際には休日に働いたあとで別の日を休みにしているので、考え方としては代休になります。
澪
「『振替』という名前を付ければ振替休日になるわけではないんですね」
凪
「はい。名前より、いつ休日を変更したのかが重要です」
仁
「後から名前を変えても、実際に休日労働をした事実は変わらない」
⑦ カレンダーの「振替休日」と同じもの?
澪
「でも、カレンダーにも『振替休日』ってありますよね?」
凪
「そこも区別しましょう」
国民の祝日が日曜日に当たった場合、その後の最も近い祝日でない日が休日になることがあります。
カレンダーに表示される**国民の祝日としての『振替休日』**です。
これは、
会社が勤務日と休日を入れ替える『休日の振替』とは別の仕組み
です。
澪
「同じ言葉が二つの意味で使われているんですね」
凪
「そうです。だから少し分かりにくいんです」
よくある勘違い
「振替休日と代休は同じ」
凪
違います。
振替休日
→ 休日と勤務日を事前に入れ替える
代休
→ 休日に働いたあとで別の日を休む
という違いがあります。
「代休を取れば、休日出勤の割増賃金はいらない」
これも違います。
法定休日に働いたのであれば、あとから代休を取っても、法定休日労働をした事実は変わりません。
「会社が振替休日と言えば振替休日になる」
凪
これも違います。
重要なのは名称ではなく、休日と勤務日を事前に入れ替えていたかどうかです。
今日のまとめ
📌 振替休日は、休日と勤務日を事前に入れ替える
📌 代休は、休日に働いたあとで別の日を休む
📌 適切に振り替えられた日は、元の休日が勤務日になる
📌 法定休日に働いてあとから代休を取っても、休日労働の事実は消えない
📌 法定休日労働には原則35%以上の割増賃金が必要
📌 後から「振替」と呼ぶだけでは振替休日にはならない
📌 カレンダーの「振替休日」と会社の「休日の振替」は別の仕組み
今日の一言
玲
「同じ一日の休みでも、いつ決めたのかで、その意味は変わります」
この回のポイント
振替休日とは?
休日に働く前に、休日と勤務日を入れ替えること。
例:
日曜日 休日
水曜日 勤務日
↓ 事前に交換
日曜日 勤務日
水曜日 休日
代休とは?
休日に働いたあとで、別の日を休みにすること。
日曜日 休日に出勤
↓
水曜日 代休
一番簡単な違い
振替休日
→ 先に交換
代休
→ あとで休む
割増賃金は?
適切な休日の振替
→ 元の休日は勤務日になる
→ 休日労働としての35%割増が必ず発生するわけではない
※時間外労働になる場合は別
代休
→ 休日に働いた事実は残る
→ 法定休日なら原則35%以上の割増が必要
もう一つ注意
カレンダーにある国民の祝日の**「振替休日」と、会社が勤務日と休日を交換する「休日の振替」**は別の仕組みです。
よくある勘違い
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振替休日と代休は同じ → 違う
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代休を取れば休日割増はいらない → 違う
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後から振替と言えば振替になる → 違う
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カレンダーの振替休日と会社の休日振替は同じ制度 → 違う
