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出張先で休日に仕事をしたら、休日出勤になるの?――「休日に働いた」だけでは、35%増しとは限らない――2026/09/17 四人で学ぶ、キホンのキ

四人で学ぶ、キホンのキ
出張先で休日に仕事をしたら、休日出勤になるの?――「休日に働いた」だけでは、35%増しとは限らない――2026/09/17 四人で学ぶ、キホンのキ

今回の一言

出張先でも、休日に会社の指示で仕事をすれば労働時間になります。ただし、35%以上の休日割増が必要になるのは、原則として「法定休日」に働いた場合です。


導入

出張先で土曜日を迎えた澪が、ホテルで予定表を確認していた。

「凪先生。今日は会社では休みの日なんですけど、午後から取引先との打ち合わせが入りました」

「では、今日は出張先で仕事をするんですね」

「休日に働くなら、休日出勤で35%増しですよね?」

「ここは二つに分けて考えます。休日に働いたかと、その休日が法定休日なのかです」

「会社が休みと決めた日が、すべて法律上の法定休日とは限らない」


基本のキ

① 出張先でも仕事をすれば労働時間?

まず基本です。

出張先であっても、

  • 取引先と打ち合わせをする

  • 現地で作業する

  • 会社の指示で資料を作る

  • 会議に参加する

など、会社の指示で仕事をしていれば、その時間は労働時間です。

「会社の建物にいなくても同じなんですね」

「はい。昨日と同じで、場所ではなく、会社の指揮命令下で仕事をしているかを見ます」


② 「休日出勤」って何?

「じゃあ、会社が休みの日に働けば休日出勤ですよね?」

「日常的にはそう呼ぶことがあります」

ただし法律上の割増賃金を考えるときは、

その休日が何という種類の休日なのか

を確認する必要があります。

大きく分けると、

法定休日

と、

法定休日以外の会社の休日

があります。


③ 法定休日って何?

労働基準法では会社に、原則として、

毎週少なくとも1日の休日

または、

4週間を通じて4日以上の休日

を与えることを求めています。

この法律上確保しなければならない休日が法定休日です。

「例えば土日休みの会社でも、土曜日と日曜日の両方が法定休日とは限らないんですか?」

「その通りです」


④ 土日休みなら、どちらが法定休日?

例えば、

土曜日・日曜日が会社の休日

で、

会社が、

日曜日を法定休日

としているとします。

すると、

日曜日

法定休日

土曜日

会社では休みでも、法律上は法定休日以外の休日

ということがあります。

「同じ『会社が休みの日』でも違うんですね」

「カレンダーの見た目ではなく、会社がどの日を法定休日としているかを見る」


⑤ 法定休日に働いたら?

「日曜日が法定休日で、出張先で仕事をしたら?」

「法定休日労働になります」

法定休日に労働させた場合には、原則として通常の賃金に対して、

35%以上

の休日割増賃金が必要です。

例えば通常の1時間分の賃金が1,500円なら、

1,500円 × 1.35 = 2,025円以上

という考え方です。

「これが『休日は35%増し』の正確な意味なんですね」


⑥ 土曜日に働いたら35%増しじゃないの?

「では、土曜日が会社の休みでも、法定休日じゃなかったら?」

「法律上、土曜日に働いたという理由だけで35%以上になるわけではありません」

ただし、その労働によって、

週40時間

という法定労働時間を超える場合には、超えた部分について原則25%以上の時間外割増が必要になります。

例えば、

月~金で40時間働いた

そのうえで、

土曜日に5時間働いた

なら、土曜日の5時間は原則として週40時間を超える時間外労働になります。

「35%ではなく、25%の時間外労働になる場合があるんですね」

「はい。ただし会社独自に、法定休日以外の休日にも35%などを支払う規定を設けている場合はあります」


⑦ 出張中なら休日のルールは変わる?

「でも出張中ですよ。普段の職場とは違いますよね?」

「出張だから休日のルールがなくなるわけではありません」

出張先でも、

法定休日に働いた

のであれば、休日労働として扱います。

また、会社が法定休日に働かせるには、原則として36協定による休日労働の定めと届出も必要です。

「出張は、労働時間や休日の規制から外れる制度ではない」


⑧ 法定休日に10時間働いたら、8時間を超えた部分はさらに25%?

「法定休日に10時間働いたら、8時間を超えた2時間は35%+25%ですか?」

「ここも間違えやすいところです」

法定休日の労働については、その日に8時間を超えても、

休日労働35%以上+時間外25%以上

と二重に加算するわけではありません。

法定休日の労働として、原則35%以上の休日割増が適用されます。

「法定休日の中では、8時間を超えたらさらに25%、ではないんですね」


⑨ 夜10時を過ぎたら?

「休日の仕事が夜11時まで続いた場合は?」

「22時から翌5時は深夜労働です」

法定休日労働と深夜労働が重なる場合、

休日35%以上

深夜25%以上

で、

60%以上の割増

が必要です。

「休日と深夜は、別の理由による割増だから重なる」


⑩ 休日に移動しただけなら?

「昨日みたいに、休日に新幹線で移動しただけなら?」

「そこは昨日の話と同じです」

自由に過ごせる単なる出張移動で、労働時間に当たらないのであれば、

法定休日に移動しただけで休日労働になるわけではありません。

一方、

  • 移動中に資料を作る

  • オンライン会議に出る

  • 商品の運搬や監視をする

  • 業務として車を運転する

など、実際に労働していれば別です。

「休日に出張していることと、休日に働いていることは同じではないんですね」

「その区別が大切です」


よくある勘違い

「会社が休みの日に働けば全部35%増し」

違います。

35%以上の休日割増が法律上必要になるのは、原則として法定休日に働いた場合です。


「土日休みなら土日とも法定休日」

これも違います。

会社の休日が週2日あっても、そのうち一方だけが法定休日ということがあります。


「法定休日に10時間働けば、8時間を超えた部分は60%増し」

これも違います。

法定休日の労働については、8時間を超えたという理由だけで時間外25%が追加されるわけではありません。


「出張中の休日なら休日の法律は関係ない」

違います。

出張先でも労働時間・休日・割増賃金の基本的なルールは適用されます。


今日のまとめ

📌 出張先でも実際に仕事をすれば労働時間になる

📌 会社が休みの日と法定休日は同じとは限らない

📌 法定休日は原則として毎週1日、または4週間で4日以上確保する休日

📌 法定休日に働けば原則35%以上の休日割増

📌 法定休日以外の休日は、働いただけで自動的に35%増しとは限らない

📌 法定休日以外でも、週40時間を超えれば時間外割増が必要になる場合がある

📌 法定休日に8時間を超えて働いても、時間外25%をさらに足すわけではない

📌 法定休日+深夜労働なら60%以上の割増

📌 休日に単に移動しただけなら、休日労働にならない場合がある


今日の一言

「休日に働いたかだけではなく、その一日が法律上どんな休日だったのかを見ることです」


この回のポイント

出張先で休日に仕事をしたら?

労働時間になります。

ただし、割増賃金はその休日の種類によって変わります。

法定休日とは?

労働基準法で会社が確保しなければならない、

原則として週1日、または4週間で4日以上の休日。

法定休日に働いたら?

35%以上の休日割増

が原則として必要です。

会社の休日なら全部35%?

いいえ。

法定休日以外の休日なら、35%以上の休日割増が法律上自動的に発生するわけではありません。

ただし、週40時間を超えるなどすれば時間外割増が必要になる場合があります。

法定休日に10時間働いたら?

8時間を超えた部分に時間外25%を追加するのではなく、原則として休日労働の35%以上で扱います。

深夜まで働いたら?

法定休日35%以上+深夜25%以上

60%以上

となります。

覚え方

「会社が休みの日?」

だけではなく、

「その日は法定休日?」

まで確認する。

よくある勘違い

  • 会社の休日に働く=全部35%増し → 違う

  • 土日とも法定休日 → とは限らない

  • 法定休日に8時間超=35%+25% → 違う

  • 出張中なら休日ルールなし → 違う