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――旅は、見たままには書かれない――四人で読む、物語の奥行き おくのほそ道
今回扱う作品の一言紹介 『おくのほそ道』は、 実際の旅を、古い歌と土地の記憶を通して組み直した紀行文学です。 導入 東北へ続く古道を紹介する資料館。 展示台には、旅笠、杖、古い街道図、『おくのほそ道』の版本画像が並んでいる。 ※四人は作品世界の「案内人」であり、作品の登場人物ではない。 澪 「旅の日記なら、芭蕉が歩いた順番と、その日に起きたことがそのまま書か…
四人で読む、物語の奥行き
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――帰る旅が、失った時間を明らかにする――四人で読む、物語の奥行き⑨ 土佐日記
今回扱う作品の一言紹介 『土佐日記』は、 土佐から京への船旅を、仮名と虚構の語り手で描いた日記文学です。 導入 冬の海を望む資料館に、『土佐日記』の版本が開かれている。 澪 「日記なら、旅の日付と出来事をそのまま記録した文章なんでしょうか」 凪 「実際の旅を基礎にしていますが、単純な航海記録ではありません。まず作品全体を整理しましょう」 紀貫之は土佐守の任期…
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――怪異は、果たされなかった責任から現れる――四人で読む、物語の奥行き 第8回 雨月物語
今回扱う作品の一言紹介 『雨月物語』は、 約束、執着、怨みが怪異となって現れる、江戸時代の九つの短編物語集です。 導入 雨の夜、資料館の閲覧室に『雨月物語』の古い版本が開かれている。 四人は展示ケースの外から、挿絵と文字を見ていた。 澪 「幽霊や怪物が出てくる怖い話、という理解でいいんでしょうか」 凪 「怪異は重要です。ただし、驚かせるためだけの作品ではあり…
四人で読む、物語の奥行き
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――物語に憧れた少女が、自分の時間を読み返すまで―― 四人で読む、物語の奥行き⑦ 更級日記
今回扱う作品の一言紹介 『更級日記』は、 物語への憧れと現実の人生を、約四十年の記憶から組み直した回想文学です。 導入 千葉県市原市の資料展示室。上総から京都へ向かう古代東海道の推定経路が、地図の上に引かれている。 澪 「日記なら、毎日の出来事が順番に書かれているんでしょうか」 凪 「まず作品全体を整理しましょう。『更級日記』は、その日に書いた記録を並べたも…
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――明るく書かれた宮廷の内側で、何が選び取られたのか―― 四人で読む、物語の奥行き⑥ 枕草子
今回扱う作品の一言紹介 『枕草子』は、 季節、宮廷生活、人間関係を、鋭い観察と言葉の選択で残した作品です。 導入 京都の資料閲覧室に、古活字版『枕草子』の画像が映し出されていた。 澪 「『春はあけぼの』は知っています。でも、季節を美しく書いた随筆、という理解だけでいいのでしょうか」 凪 「まず作品全体を整理しましょう。『枕草子』には季節の描写だけでなく、宮廷…
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――滅びるのは、権力か。それとも人の世か。―― 四人で読む、物語の奥行き⑤ 平家物語
今回扱う作品の一言紹介 『平家物語』は、平家一門の栄華と没落を通して、人の世の無常と、戦乱に生きた人々の選択を描く軍記物語です。 作者は一人ではなく、成立も一時ではありません。 鎌倉時代に語り継がれた物語が、琵琶法師による語りなどを通して形を整え、現在知られる『平家物語』になったと考えられています。 有名な冒頭は、「世の中に永遠の繁栄はない」という作品全体の…
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――人は、言えなかった思いをなぜ歌に残したのか―― 四人で読む、物語の奥行き④ 伊勢物語
今回扱う作品の一言紹介 『伊勢物語』は、恋、旅、別れ、老いを、短い物語と和歌によって描いた歌物語です。 作者と正確な成立時期は分かっていません。平安時代前期に原形が生まれ、複数の段階を経て現在知られる形に整えられたと考えられています。 作品の中心には、「昔、男ありけり」と語り出される一人の男がいます。 この「昔男」は、歌人の在原業平を思わせる人物です。 ただ…
四人で読む、物語の奥行き
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――月へ帰る姫は、人の世に何を残したのか―― 四人で読む、物語の奥行き③ 竹取物語
今回扱う作品の一言紹介 『竹取物語』は、かぐや姫という異界の存在を通して、人間世界の愛情・欲望・権力・別れの限界を描いた物語です。 作者は分かっていません。 成立時期もはっきり断定はできませんが、平安時代前期には成立していたと考えられます。後の『源氏物語』でも、物語文学の古い代表として意識される作品です。 『竹取物語』は、よく知られた昔話であると同時に、日本…
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――移ろうものを見つめる目が、人の浅さも美しさも映し出す―― 四人で読む、物語の奥行き② 徒然草
今回扱う作品の一言紹介 『徒然草』は、移り変わる世の中で、人が何にこだわり、何を美しいと感じ、どこで浅さを見せるのかを見つめた随筆です。 作者は兼好法師。 鎌倉時代末期から南北朝時代初めごろに成立したとされる古典です。 ひと続きの物語ではありません。 短い章段が集まり、人の振る舞い、世間の作法、学び方、美意識、無常観が語られます。 けれど、ただの思いつきの寄…
四人で読む、物語の奥行き
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――崩れるものの上で、人はなお安らぎを探す―― 四人で読む、物語の奥行き① 方丈記
今回扱う作品の一言紹介 『方丈記』は、災害や都の変化を通して、住まいも暮らしも心も、同じ形では残らないことを見つめた随筆です。 作者は鴨長明。 鎌倉時代前期に書かれた、短いけれど深い古典です。 有名な書き出しでは、川の流れと水の泡を手がかりに、世の中の移り変わりが語られます。 川は流れ続けているように見える。 けれど、そこを流れる水は、同じものではありません…
m45010b8dac3f四人で読む、物語の奥行き
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